atoll projectは総務省情報通信政策研究によるAIネットワーク社会推進会議報告書2018(案)に関する意見募集に対して、「AI」に対する誤解と無知に由来する忌避が社会に広がることを危惧し、健全な「AI」観の普及を目指し、適切な定義とリスク認識のもと産業政策・競争政策上も安定した規制(保護)体系が形成されることを願い、
- 本分野での予見可能性が低い場当たり的なソフトロー規制の導入は「AI」に対する投資意欲を減退させ技術開発意欲を減退させるため反対します。
- 本文やを規制するのであれば適正な条件を設定し産業政策として合理的なハードロー規制を導入するべきと考えます。
- 「AI」に対するハードロー規制の導入にあたっては他分野における既存の規制体系や保護体系が実現している社会的均衡と整合性ある規制設計が必要と考えます。
- 「AI」に関連する定義のあいまいさを放置すると適正な規制体系の整備が困難となるため、定義を最低限、現時点における研究開発動向を踏まえた精度に精密化するべきです。
- リスク検討にあたって設定されている空想的ユースケースを現実を踏まえたユースケースに置き換えるべきです。
総務省指定の意見募集書式に従い、報告書案本体の記述のうち基本方針に照らして修正または削除が必要と考えられる箇所すべてに対して個別に意見執筆したところ提出する意見は58項目となりました。
共同執筆者合意のもと提出する意見要旨は以下の通りとなります。
情報法制学会情報通信政策セミナー有志は総務省情報通信政策研究によるAIネットワーク社会推進会議報告書2018(案)に関する意見募集に以下の通り意見提出します。
意見要旨
ガイドラインを作成するのは結構ですが、
①産業界の各領域・各階層で
②ガイドラインにおけるいわゆる「AI」を「実装していることになる」
③先行者たちの創意・工夫により
④机上の議論ばかりではなく、
⑤すでに実務的にも経済的にも現に存在している具体的な製品・システム・企画等について、
⑥さらに将来的に継続的に
⑦さらなる開発・実装・検討・メンテナンスが、営為遂行されることになるという
机上の議論だけでは様々な問題が解決されえないクリエイティブな発想と実務的な技術や知能の集積と統合が何よりも必要な実際経済における営みに対する影響への配慮が必須であると思われます。
そのためには非規制的かつ非拘束的な曖昧な原則や謂れのない恐れではなく、技術的に明らかな社会全体における不利益を特定した上で確実に罰則規定のある規制・法令の制定が望ましいと考えます。
本報告書案が提示する様々なリスク想定の多くは誤ったスコープ設定のもとに記述されており、各種定義はあいまいすぎてAI開発及び利活用の発展をかえって阻害する虞があります。
そこで、私たち共同執筆者は以下の通り本報告書案へのパブリックコメント案(注1)を起案しました。私たち共同執筆者は本パブリックコメント案にご賛同いただける賛同者を広く募集します。パブリックコメント案をご一読いただき、ご賛同いただける場合は以下の回答欄にご記入ください。
なお、本パブリックコメント案に記載した意見はCC0ライセンスで公開します。本パブリックコメント案全体への賛同はできないが部分的には賛同いたただける場合は本パブリックコメント案の意見個々について自由にご自分の意見に組み込んでパブリックコメント提出いただけます。
共同執筆者
atoll Project アーキテクト川田大輔提出する意見の全文はこちらにご用意しました賛同署名フォームからダウンロートいただけます。意見を同じくする方の賛同署名も同時に募集しておりますのでぜひご一読いただき、賛同署名にご協力いただければ幸いです。
新潟大学法学部教授 田中 幸弘
日本アイ・ビー・エム株式会社 技術理事 山下 克司
賛同募集から14時間経過しました。さっそく錚々たる方々から賛同の署名をいただき恐縮しております。以下更新情報となります。
以下、更新情報 2018/06/24/16:15 付
注1 : パブリックコメント案ファイルの一部に文字化けが存在するとのご指摘をいただき文字化けを修正したファイルに差し替えました。内容に変更はありません。あわせて文書修飾を実施しました。
氏名公開にご同意いただきました賛同者のお名前を以下に掲載させていただきます。
ご賛同ありがとうございます。
株式会社ラック 理事 長谷川 長一 様
アエリアル・イノベーション 最高経営責任者 小池良次 様
さくらインターネット株式会社 取締役 伊勢 幸一 様
日本アイ・ビー・エム株式会社 Executive IT Specialist 法橋 和昌 様
ネットコマース株式会社 代表取締役 斎藤昌義 様
中央大学総合政策学部 准教授 中村周史 様
帝京大学 研究員 小川道夫 様
日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 テクニカルリーダーシップ兼デジタルイノベーション推進担当 小池裕幸 様
OSSラボ株式会社 代表取締役 船井覚 様
日本アイ・ビー・エム株式会社 上席ITスペシャリスト 岡田経明 様
中央大学理工学部 准教授 酒折文武 様
※ 掲載順序は順不同です。
氏名非公開を希望される賛同者からのエンドースメントをいただいておりますので深い感謝とともにご紹介させていただきます。
錚々たるAIネットワーク社会推進会議及び分科会構成員の方々であるにもかかわらず、抽象度が高く、汎用的な解釈ができるままの表現が踊る報告書に危機感を感じ得ませんでした。
その本報告書の子細に至るまでのレビューと現時点で不明確な内容に対する的確な指摘と改善要望コメントに対して、共同執筆のお三方への敬意を表したいです。
会社というよりは株主への配慮から、大変申し訳ありませんが、氏名は非公開とさせて頂きたいのですが、必要であればお三方主催の会議やフォローアップのカンファレンスには都合着く限り出席します。
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